- 作者: 増田俊也
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/09/30
- メディア: 単行本
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どちらかというと、体育会系でひとにウンコ食わす(p.170)ような人物はあまり好きではないが、それでも木村政彦が非常に魅力溢れる人物であるのは伝わってきた。
もちろん魅力だけじゃなくてその強さも。もう50歳近くなって全盛期から比べると随分力が落ちている段階でも、オリンピックメダリストを子供扱いって、どんだけ強いんだ。
それに、ただ強いだけじゃなくて、技術に対して研究熱心なのも凄い。技を開発したり、他の格闘技を積極的に取り入れたり。今の武道や格闘技は、ちゃんとそういうことしてんのかね?
木村政彦本人以外にも、力道山、大山倍達といった人物評伝というだけでなく、戦前戦後の柔道史・武道史・プロレス史も、活字資料、インタヴュー、映像資料と非常に浩瀚なデータに当たっていて、記録としても今後の基礎になるだろう。
もちろん人間ドラマもたっぷり。牛島と木村・木村と岩釣の師弟関係、拓大柔道部のつながりは、なかなかに感動的だ。
年末年始読む本を探している人は、是非手にとって見てください。
余談。地価格闘技大会って実在するのね・・・(p.689)。