分析哲学 これからとこれまで (けいそうブックス)

分析哲学 これからとこれまで (けいそうブックス)

  • 作者:隆, 飯田
  • 発売日: 2020/05/28
  • メディア: 単行本
 

  新刊で購入。三段論法やクリプキの規則懐疑論はある程度考えながら議論を追う哲学的議論の話ももちろんあるが、現代も含む歴史的なテーマの方が配分多め。日本の哲学界への批判は全く同感。でも、ある意味メインストリームのさらにど真ん中にいて、かつ幅広い知識と教養を持つ著者が言うと説得力が全く違いますな。
 書下ろし部分は読み応えあり。文章も重すぎず軽妙さがありながらふざけていない明快なものでとても良い。哲学愛好家だけでなく一般の教養人こそ、いわゆる「分析哲学」へのイメージ・知識(から入って、さらに哲学そのものへのそれ)をアップデイトするためにも読んで欲しい。
 しかし、著者も待ち望む、源氏物語近松の芝居、小津映画について哲学的テキストって、もしあればメチャメチャ読んでみたいけど、実際書くのハードル高すぎね?ほとんど2つの専門持つのに近いことやんないといけないわけで。並みの人には務まらない大役ですな。私が生きている間にそれを読むのは難しそうだ。