図書館で借りて読了。書評の対象となっている本は古いものが多いが、明快簡潔に遠慮なく書いてくれているおかげで、対象の本を読まなくても済んでしまうんじゃなかろうか。実際ピケティなんかは我々一般人は現物読まないで解説で十分だろうし。
クルーグマンの早い時期からの日本への紹介は、山形さんの大きな功績なんでしょうね。
そうは言っても、「これは面白そう!」と現物を是非読んでみたくなるものも、もちろんありますよ(一番はp.426のミシンの本かな)。
あと、貴重なのは今はほとんど読まれない昔の本を取り上げていること。そりゃ人間だから間違うのはある意味しょうがない。でもせめてインテリ面するなら自分の間違いについて多少は反省したり弁解したりしようよ……(経済系、社会主義・毛沢東まわりが害が大きく罪深い)。
ファイナンスや経営みたいな全く知らない分野の様子もうかがえたり、しょうもない本をバッサリ切り捨てる痛快さも楽しめて、それなりに分量はあるけど、飽きずに読めた。
余談。最近活躍が目に入らなくて寂しい大ファンの宮崎哲弥さんの啖呵(p.318)、イイ話やね。