キンドルで購入。美や芸術を考えるときには、どうしてもファインアートをモデルに考えがちだが、日常的な対象や風景や環境全体の雰囲気などにある美もまた探求の対象になるという主張自体はしごく真っ当。日本の古典や現代の懐石料理・弁当やプレゼントの包装まで色々な具体例は日本人にはおなじみのものがほとんどで、まあヘンテコな日本趣味じゃなくて中身もちゃんとしているのでは。
 ただ、読み物としては面白いのだが哲学的に面白い議論や洞察はそんなにない。美学と倫理の関係なんてせっかく面白いテーマをそれなりに取り上げているのに、テーマ 提示以上の展開がないのが残念だった。
 英語圏の読書階級はこういうの読んで日本文化のイメージ作られるのかね。
 英語は文章は普通だが単語が難しめ。
 これ、著者日本人みたいだし、それなりに需要ありそうだけど翻訳ないのかな。著者自身が訳してくれれば一番良いんじゃないの。