図書館で借りて読了。江戸しぐさについて、ツイッターで上で少し前に盛り上がっていたので話題としては知っていたのだが、本書で全体像がつかめた。非常にコンパクトにまとまっていて良い。ほとんど1人のオッサンの思い付きがこんなに困ったことなってしまうなんで、世の中何が起こるか分かりません。
 それに、権力者連中がこの手の非常に下らないオカルトに肩入れしているなんてのを知ると、暗澹たる気持ちになりますな。
 歴史の専門家に対する批判は手厳しい。確かに本書で言及されている「水は人の気持ちがわかる」系のトンデモは何とか専門家の批判が結構効いてそこまで酷い事態になる前にある程度駆除できたわけだからね。江戸しぐさだって、歴史家がもうちっとしっかりしてくれていたら、というのはもちろんある程度正しいとは思うけど、トンデモ批判って、やるのは大変だけど得られるものが少ないじゃないですか。だから、現役バリバリの若い研究者じゃなくて、社会に対する責務もしくは報恩として、ある程度業績あげた引退間際、もしくは引退した人がやればいいんじゃないでしょうかね。
 でも「知の人」(研究者)と「行動の人」(オカルト推進者)じゃ戦闘力が違うからなぁ。ある程度体力ないと渡り合えないか。難しい。