読書

シマエナガさんの12カ月 新装版 河出書房新社 Amazon まるごと しまえなが 作者:山本 光一 北海道新聞社 Amazon 図書館で借りて読了。 猫も良いけど、鳥もカワイイ。小さくてモフモフで、生態まで可愛らしい(団子!)んだから、反則でしょ。ささくれだった…

フォールン・ブリッジ 橋渡し不可能な分断社会を生きるために 作者:御田寺圭 徳間書店 Amazon キンドルで購入。 現代社会の「気分」の分析としては間違いなく洞察を含んでいるのは前著までと変わらず。異論があるとしたら高齢化社会への態度かな。そもそもが…

今夜、すベてのバーで 〈新装版〉 (講談社文庫) 作者:中島らも 講談社 Amazon キンドルで購入。 のほほん雑記帳で高評価だったので読んでみた。 物語の展開としてはちょいと通俗的でベタな感があるが、人物造形や依存症の内面描写、アルコール摂取時の感覚表…

のほほん雑記帳 (角川文庫) 作者:大槻 ケンヂ KADOKAWA Amazon キンドルで購入。 水道橋博士の書評での激賞を読んで。 前半の若き日の煩悶は文系人間なら共感するところ大きいだろう。そうは言っても、音楽で飯を食い本を書く側にまわれた人間だからだろう、…

情報分析力 (単行本) 作者:小泉 悠 祥伝社 Amazon キンドルで購入。 全裸先生の実体験もたっぷりと出てくる情報分析ノウハウ本。学生や研究者の卵だけでなく、勤め人にも非常に参考になる。「疲れたら無理しないで寝ろ」「ディスプレイはでかいのにしろ」み…

本業2024 作者:水道橋博士 青志社 Amazon しばらく前に東京堂サイン本コーナーで購入。 字の詰まり具合はそこまでではないが、650ページ以上ある厚さはなかなかの読み応え。完全新規追加だけでなく、前バージョンからあるものもきっちりプラスアルファ付けて…

Origins of Objectivity (English Edition) 作者:Burge, Tyler OUP Oxford Amazon キンドルで購入。 かなり流し読み気味。前半の20世紀英語圏(の一部の)哲学まとめは懐かしさを感じながら、後半の自然科学をしっかり参照する部分はより流し気味になってし…

科学的根拠に基づく最高の勉強法 作者:安川 康介 KADOKAWA Amazon 図書館で借りて読了。 勉強法について本は腐るほどあるが、現在の科学で有効とされているものをここまで簡潔にまとめてくれているのは非常に便利でありがたい。ちゃんと注と文献表がつている…

宇宙はくりまんじゅうで滅びるか? 作者:山本 弘 アドレナライズ Amazon キンドルで購入。 単行本はもっていたので再読になる。文庫版が読みたかったが、キンドル版は単行本準拠だった。 水道橋博士と町山智浩さんの唐沢俊一死亡対談で山本弘さんの名前が出…

皆殺し映画通信 作者:柳下毅一郎 フィルムアート社 Amazon 図書館で借りて読了。 さすがにこれだけ長くやっていちいち笑いを取るのにも疲れたのか、ツッコミ芸で爆笑という要素は大分後退したかな。 その代わりじゃないが、淡々と日本映画のトホホ的側面の記…

Dr. Fの格闘技医学[第2版] 作者:二重作拓也 秀和システム Amazon 図書館で借りて読了。 もちろん素人にも参考になる点がなくはないものの、初心者向けじゃないです。かなり本格的に格闘技をやっている人や指導者向け。根性論や精神論でなく、科学的アプロー…

強さの磨き方 作者:二重作拓也 アチーブメント出版 Amazon 図書館で借りて読了。 うーん、無内容とは言わないが、やや散漫なよくある自己啓発書かなぁ。冒頭の推薦文連発もあまり趣味が良いとは言えない。 こちらよりは『可能性にアクセスするパフォーマンス…

放蕩の果て:自叙伝的批評集 作者:福田 和也 草思社 Amazon キンドルで購入。 買ったのは訃報の前。ちょうど読み終わってすぐに死亡ニュースが流れてきてビックリ、は全然しなかった。 だって完全に遺書的内容だもん。関係の深かった人たちへの追悼文や自身…

良い経済学悪い経済学 作者:ポール クルーグマン 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 Amazon アマゾンで購入。 かなり古い本ではあるが、現代でも全く理解されていない基本的な解説も多く、かつむかしからブードゥー経済学がまん延していたことが分かる…

職場の人間科学: ビッグデータで考える「理想の働き方」 作者:ベン・ウェイバー 早川書房 Amazon 図書館で借りて読了。 10年以上前の本だが、大筋では正しい方向性で現在でも通用する知見が多いと感じた。コロナ以後、いったんリモートワークへの傾斜が一気…

随筆集 一私小説書きの独語 (角川文庫) 作者:西村 賢太 KADOKAWA Amazon 図書館で借りて読了。 後半の雑文の大半ははっきり言って大半が寄せ集めただけで正直内容かなり薄い。 それに比べると前半の「一私小説書きの読後」はかなり良い。なかなかにハードな…

哲学の問い (ちくま新書) 作者:青山拓央 筑摩書房 Amazon キンドルで購入。 前半の対話編は初心者・入門者向けで少し物足りないが、後半の論述編やコラムはさすがの鋭さ。社会的な要素があるテーマでも、これぞ哲学者というハッとさせる視点からの記述が多く…

料理人という仕事 (ちくまプリマー新書462) 作者:稲田 俊輔 筑摩書房 Amazon 図書館で借りて読了。 料理人を志す若い人へ、著者の経験も交えながらキャリアパスを解説するという体裁だが、もちろん門外漢の素人料理好きにも(やや綺麗ごとよりだが)業界…

情況 2024年 08 月号 [雑誌] 情況出版 Amazon アマゾンで購入。拾い読み。 一番目当ての谷口さんの論文はかなり難しい。 他のものだと、小谷野さんの文章がコンパクトにまとまっていて状況を把握するのに一番手っ取り早いか。 栗原さんのツイートから、何か…

『現代調理道具論』 おいしさ・美しさ・楽しさを最大化する 【電子版だけの特典!スペシャルレシピ5点付き】 作者:稲田俊輔 講談社 Amazon 図書館で借りて読了。 現代の狭いキッチン、短い調理時間を前提として最新調理器具から100均グッズまでをこなれた文…

教養としての上級語彙2―日本語を豊かにするための270語―(新潮選書) 作者:宮崎哲弥 新潮社 Amazon キンドルで購入。 前著より紹介語彙が減った分、戦後の国語政策の紹介や批判が結構な割合を占めている。ルビ廃止や漢字制限は素人考えでも駄目だろうと…

話が通じない相手と話をする方法 作者:ピーター・ボゴジアン,ジェームズ・リンゼイ,藤井翔太 晶文社 Amazon キンドルで購入。 『「社会正義」はいつも正しい』の著者と不満研究事件の当事者が書いた本ということで、はじめから色眼鏡をかけて警戒する人もい…

東京裏返し 社会学的街歩きガイド (集英社新書) 作者:吉見 俊哉 集英社 Amazon 人にもらって読了。 インテリ風「ボクの考えた最強の街づくり」的いけ好かなさは正直ある。歴史だの文化だのを踏まえた云々なんて、所詮は高等遊民の戯言だろと。防災や経済やら…

Metaphor and Metaphilosophy: Philosophy as Combat, Play, and Aesthetic Experience (Studies in Comparative Philosophy and Religion) (English Edition) 作者:Mattice, Sarah A. Lexington Books Amazon 戦闘の比喩じゃなくて遊び、美的経験で哲学をと…

竹林の七賢 (講談社学術文庫) 作者:吉川忠夫 講談社 Amazon キンドルで購入。 隠者に対する強い憧憬からずっと興味があったので、こういうコンパクトな入門書を求めていたところ、たまたま見付けたので即購入。それほど体系だった教科書的な感じではなく、や…

悪魔のいる漫画史 (Real Sound Collection) 作者:後藤護 ANGMA Amazon 図書館で借りて読了。 タイトルは澁澤龍彦の著作のオマージュだとはいえ、悪魔が明示的に出現するのはチェンソーマンくらい。そういう意味であまり親切ではなく、著者自身がテーマだとい…

新版 プラトン 理想国の現在 (ちくま学芸文庫 ノ-7-3) 作者:納富 信留 筑摩書房 Amazon キンドルで購入。 プラトンの『国家』(と訳すこと自体がどうかという話なのだがそれはここでは許して)の、明治後期から戦後すぐ位までの日本における受容史が中心。哲…

人はいかに学ぶのか:授業を変える学習科学の新たな挑戦 作者:秋田喜代美,一柳智紀,坂本篤史 北大路書房 Amazon 図書館で借りて流し読み。 翻訳だからというのも効いているのだろうが、かなり教科書的で読みにくい文章なのはしょうがないか。しかし内容はさ…

サイバースペースの地政学 (ハヤカワ新書) 作者:小宮山 功一朗,小泉 悠 早川書房 Amazon キンドルで購入。 AIブームの土台の土台を支えるインフラ=サイバースペースがいかにもろい土台の上に成り立っているのか、そして我々のほとんどがその自覚がないかが…

The Entanglement: How Art and Philosophy Make Us What We Are (English Edition) 作者:Noë, Alva Princeton University Press Amazon キンドルで購入。 ストレンジツールの延長線上的な内容。哲学と芸術の同一視というのは、ある意味メタ哲学的主張として…