図書館で借りて読了。表題作の「ガンバラ」が一番面白い。一体パンアルモニコンはどんな形をしていてどんな音が鳴るんだろう。
 「ガンバラ」と「マッシミラ・ドーニ」の音楽評論めいた部分は、詳しい人なら読み応えがあるのかもしれないが、私のような普通の読者にはやや読んでいてつらく感じないでもない。
 「ファッチーノ・カーネ」は以前読んだことがあるが、短いながらもおそらくは爺さんの妄想であろう大金の隠し場所を聞くのは、飲み屋の楽しくまた悲しい与太話と同じで味わいがある。
 最後の「アデュー」、川に落ちたとたん首が吹っ飛ぶシーンと、正気に返ったとたん死んじゃうシーンが思わず「えー!」と言いたくなったくらい良いね。
 幾分飛ばし読みした箇所があるものの、バルザックは面白いことを再確認。堪能した。