図書館で借りて読了。科学者側が非常にアグレッシブで、どちらかというと哲学者が守勢に回る場面多し。でも、私が哲学愛好者からかもしれないけど、どう考えても科学者側がよく分かっていないという場面の方が多い気が・・・(特に行為論のところが典型)。
 須藤さんは多分良心的なちゃんとした科学者なんだろうけど、「科学哲学は科学や社会に役立つことすべき!」みたいな思いが強すぎでしょう。そりゃ役に立ったほうが良いに決まってるけど、(科学)哲学はそういうもんじゃないと言われたらそれで終わりなんじゃないの。それこそ学問感の違いというか。
 でも、世間一般の哲学へのイメージ(屁理屈をこねまわしているだけで何の役にも立たない空理空論)に対して、そんなものなんで大学で研究しているんだ?という苛立ちは結構多くの人が持っているのも間違いないだろう。そういう苛立ちを持っている人と、しっかりと途中でモノ別れせずにやり取りしたというのは、とても貴重な中身かと。
 実際の対談だけでなく、メールのやり取りなどあとからかなり追加したみたいだけど、2人ともよくここまで粘り強くやり通したよな〜。途中字面だけ読むと険悪そうな場面もあるし。偉いな〜。