100円でサルベージ。手塚先生本人の後書きにある通り、途中で神様の声なくなったり、終わり方もやや唐突だったりというのうが気になった。かつ手塚先生はこんなに暇じゃなかったろうし、奥さんもこんなに強くはなかっただろうということはあるものの、ある程度実生活が反映しているということで、そういう意味ではドキュメントとしての価値はあるだろうし、マンガとしても傑作ではないものの一定水準はクリアしているかと。
 3人の子供たちはこういう形で作品として残って、素晴らしい記念というか、代えがたい贈り物になったわけで、他の人にはあり得ない僥倖ですよね。
 もう一つの収録作「ごめんねママ」はサザエさん風ユーモア家庭マンガ。出来としてはまあまあレベルだけど、絵のかわいらしさは現代のものと比べても全く遜色ない。さすが「萌え」の元祖、と言うべきでしょうか。