「夜明け告げるルーのうた」、ツイッター上で絶賛の声をいくつか見かけたので観に行ってみた。
 ルーが追い詰められて父親が駆けつけるシーンの、ルー親子と人間親子の対比(それぞれが、やや狂的なわが身を返り見ない愛情で激しい行動にでる)や、爺さんが船から傘を広げて自身の母親の死の真相を知るシーンなど、特に後半はかなり良かった。誤解されて恐れられていた神々が実は人間の味方で最後は助けてくれるという構造は、民話的・神話的ファンタジーとしてある種正統的でもあるでしょう。
 ただ、年間ナンバーワンクラスかというと、うーん、そこまででもないと思う。主人公の行動の動機づけが少し弱いのと、ルーとの関係描写にもう一工夫欲しいというのが私の不満(最後の告白シーンは、どう考えても恋愛シーンとしての告白行動にしか見えないけど、それはどうなのかと)。
 文句はありますが、なかなかいい映画です。観て損はなし。あと、犬の人魚(?)カワイイ。