チネチッタ川崎で、町山さん推薦の『タクシー運転手』観てきた。席狭い……。
 それはともかく、主人公、光州の民衆やタクシードライバー、ドイツ人ジャーナリストたちといった登場人物たちの持つ庶民の高貴さとでもいおうか、戸惑いや恐怖を抱えながらも見せる勇気ある行いが感動的で胸を打つ。特に運転手仲間の底抜けの親切さが泣けて泣けて。日本のメジャー映画もこの水準の映画が作れれば、まだまだ救いはあるのだが……。
 ユーモア多めの前半から、段々と権力の弾圧がのしかかってくる中での人間ドラマは非常に見ごたえがあった。わざとらしくないけど、盛り上がるところではグッと力が入った演出で上手いなーと。俳優陣は皆素晴らしい演技だね。ソン・ガンホの唇震わせながら迷いに迷って光州に引き返すところなんてこれぞ名演技ですよ。
 この市民虐殺がそんなに大昔じゃないところがまた恐ろしい。いやいやお客さんも結構入ってたし、オススメです。