キンドルアンリミテッドで読了。

 こちらも長年の宿題作。エヴァンゲリオン使徒まんまの魔物の造形といい、やたらと壮大な世界観(ガンパレを想起した)といい、未だに強い自身の厨二病的精神へと何の障害もなくまっすぐに入ってきた。故郷に戻ってきたような馴染み具合。

 ある意味非常に正統的なSF・ファンタジーでもあり、長さもちょうど良い。著者の感情表現は、潤い(悪く言うと湿っぽさ)はそんなに感じないながらも、下手なんではなくてストレートでカラッと幾分子供っぽさがあるような気持ちよさ・格好良さがある。

 紙では完結せず、電子版でやっとこさらしい。このレベルのいい作品でも紙で出版されないことを嘆くべきなのか、それとも優れた作品が完結する機会を与えてくれた電子版の普及具合に感謝するべきなのか。両方か。