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兄帰る (ビッグコミックススペシャル)

　相変わらず上手い。近藤ようこは作品の平均レベルが高く、ハズレがほとんどないのではないか。本作もキッチリと仕上がっている。この手の派手なストーリーがない作品が、単なるシミジミとしたいい話（一杯の掛け蕎麦的なもの）に終わらないのは、作者の透徹した観察眼によるところが大きい。
　その証拠に、他の作品では、あまりに人間の本質・暗部を露骨に描いていて、読んでいて恐ろしくなるものがある。
　どうも、こういうことができるのは女性作家がほとんどな気がするのは、私の思い込みだろうか。