ナンシー関の「小耳にはさもう」ファイナル・カット

ナンシー関の「小耳にはさもう」ファイナル・カット

 リサイクル図書で入手。本質をずばりと言語化する技は見事としか言いようがない。おそらくナンシー関のコラムは、数十年後に、時代の雰囲気を感じさせる第1級資料となるだろう。
 例えば、1998年時点で、クリスマスの2週間も前から大騒ぎしているのはどうよという指摘(p.111)は、一例としてあげられる。
 少なくともテレビ批評については、もうナンシー関以上の人間は現れないかもしれない(才能のある人間はテレビの批評をしようとまずしないだろうし)。夭折がつくづく惜しい。