ゴリオ爺さん (上) (岩波文庫)

ゴリオ爺さん (上) (岩波文庫)

ゴリオ爺さん (下) (岩波文庫)

ゴリオ爺さん (下) (岩波文庫)

 図書館で借りて読了。面白ぇ!!。パリの女の虚飾にまみれた生態と、ゴリオ爺さんのあまりに盲目的な愛情は、人間が持つ歪みを見事に結晶化させている。
 ヴォートランなど他の登場人物も魅力的だし、ラスティニヤックの若者らしさも良い。
 やっぱり金が絡んだ話はどぎつくなっていいね。人間喜劇全制覇まで、あとどれくらいかかるか分からんが、挑んでみたい。
 どうでもいい話だが、一つよく分からなかったのが、ヴォートランを警察に密告したことが、他の下宿人たちからフルボッコに叩かれること。現代の日本人の感覚だと、みっともいい行いではないが、そこまで非難されることもない気がするのだが。キリスト教的モラルなんでしょうか。それとも当時のフランスのお国柄だったのでしょうか。