正直売れたい。-BLマンガ家天城れのの必死屋DAYS

正直売れたい。-BLマンガ家天城れのの必死屋DAYS

 100円でサルベージ。うーん、残念ながらこの内容では売れないと思う。大人の事情とやらで収録できないものがあったり、雑誌掲載時は書いてあった印税率を隠したりと、ことごとく読者の欲求に答えない姿勢はどうかと。私だって30年以上人間をやっていれば、生活するうえでのしがらみがあることぐらい理解できるが、いくら立場的に強くないとはいえ、そこで根性を見せるかどうかで、表現者としての覚悟が出るんじゃなかろうか。心ある読者は、必ずそういう覚悟を持った作家には敬意を払うのに。
 (フィクションの体裁を取ってはいるが)面白いルポマンガとして、しばらく前に連載終了した鈴木みその『銭』があるが、それと本書を比べると、大幅に見劣りするのは明白だ。これではぬるいエッセイマンガの域を出ない。せっかくネタとしてBL業界という素材としては貴重なものをもってきたのに、もったいない。