精神科医が狂気をつくる―臨床現場からの緊急警告

精神科医が狂気をつくる―臨床現場からの緊急警告

 図書館で借りて読了。篤実な実務家による、謬見の真っ当な批判が中心。「カウンセリングに治療効果あるって実証的なデータないよ」って指摘はあまりされないかもしれないが、よくぞ言ってくれたと嬉しくなった。それ以外にも興味深い症例が紹介や現代の精神医学のあり方など、話題は広い。
 「ヒステリー」っていつの間にか使われなくなったなーと思ってたんだけど、治療法が確立されて病気が減ったんじゃなくて、言い方変えただけなのね(今は転換or解離と言うそうです)。
 著者が誠実に書いていることは十分理解できるのだが、やっぱり精神医学はまだまだ他の医学に比べて当てにならんという私の偏見はぬぐえない。
 読み物として、時間があれば読んでも損はしないでしょう。