つぎはぎ仏教入門

つぎはぎ仏教入門

 新刊で購入。待望の夫子の新刊は、期待通りの素晴らしさ。
 「宗教とは何か」から始まり、歴史的な発展やキリスト教との比較、日本での仏教の受容、教理論と内容的には網羅的で抜かりない。
 夫子の持ち味である、卓抜な比喩(例えばp.171の黄金の比喩)や、シンプルでもはっとする指摘(冒頭の仏像の話など)も健在。
 最後の「自我の肥大」に関する話だけ、やや解像度が低い感じがするが、そんなものは、たいした問題ではない。
 これほどクリアで分かりやすく仏教を解説してくれる本は、他にないんじゃなかろうか。装丁も、いつもの夫子の本と同じように非常にシンプルで品がいい。
 素晴らしい本です。必読。