困ってるひと

困ってるひと

 図書館で借りて読了。軽い文体と重い中身のある種の闘病記。ぐいぐいと読ませる。突然の難病発病、幾分仕方がない部分はあるものの、釈然としない部分が多い医療・社会保障制度に、世間知らずなのか独善的なのか知らないが無茶を言う医者(実家戻ったら死ぬだろどう考えても)と、これでもかというほど理不尽きわまりない事態が降りかかる様は圧倒的だ。それと同じくらい、著者の行動力も凄い。いくら命が掛かっているとはいえ、私には到底まねできそうにない。
 それだけじゃなくて、これまでの生い立ちや後半のイイ話が、さらに本の内容を味わい深くしている。
 もっと経済的にどのくらい困ったか金額も具体的に提示して書いていれば、さらに一段資料性が高まったのに。それはともかく、トータルで見れば売れるのも納得の面白さ。おすすめ。
 蛇足。著者のルックスが明らかに効いてるよね。同じ内容でも、私のようなキモメンが著者なら、売り上げ最低でも3割は落ちそう。