心の視力―脳神経科医と失われた知覚の世界

心の視力―脳神経科医と失われた知覚の世界

 図書館で借りて読了。本作は、他人の興味深いお話だけでなく、本人が目にガンができちゃって片目が失明する過程を詳細に書く羽目に。やはり医者でもガンを宣告されると動揺するのね。
 他に登場するのは、楽譜が読めなくなったピアニスト、人の顔が覚えられない人(アスペクト盲!!)、字が読めなくなった小説家、立体視を獲得した神経生理学者と、どれも素晴らしく面白いエピソードばかり。
 日本ではやっと学習障害という言葉がやっと定着し始めたところだけれども、失読症や失顔症はまだまだじゃないかな。知能はまともでもこういった症状があってバカ扱いされた(されている)人って、結構いそうな気がするなー。
 ともかく、読み物として抜群の出来であることは間違いない。是非読まれたし。