図書館で借りて読了。単行本未収録作品の作品表紙や手塚治虫がベレー帽かぶってない写真など、図版も多くて資料性が非常に高い。著者自身の記憶と体験も、直接手塚治虫に関わるもの(ファンクラブ活動)も、またアニメを含む手塚作品のいちファンとしてのものも、どちらも価値あるものだ。書誌的なデータも多く出てくるし、手塚治虫研究書として非常に優れたものだと思う。
 日本が生み出した天才の中でも間違いなく最高ランクの表現者について、せっかくこれだけいい本が書けたんだから、是非是非続編を書き続けていただきたい。私もさかのぼって1巻から読んでみよう。
 余談として、「オタク」という言葉の発生に関して、通説とは少し違う説を唱えている部分がある(pp.29-31)。それなりに説得力ありそうな感じなので、オタクカルチャー研究してる人は無視できないのでは。