望郷と海 (始まりの本)

望郷と海 (始まりの本)

 図書館で借りて読了。シベリア抑留という極限状況の証言としても非常に面白いのだが、本書のベストは「ペシミストの勇気」だろう。そこに出てくる鹿野氏は、何と言うか、感動とは違う、圧倒的な異様さを感じさせる。こんな人物に直接であったら、そりゃあ打ちのめされるわ。
 というわけで、他の部分も悪くないが、そこだけでも手に取る価値あり。
 ちなみに、解説はややステロタイプな教条的左翼っぽいトーンであまり良くない。