ソーの舞踏会: バルザックコレクション (ちくま文庫)

ソーの舞踏会: バルザックコレクション (ちくま文庫)

 図書館で借りて読了。面白れぇ。そして、女はやっぱり怖い。怖すぎる。
 3つの話ともバッドエンドだけど、後ろ2つが特に酷い。「夫婦財産契約」のポールなんて、もう可哀想過ぎて涙かちょちょ切れそうですよ。
 人間喜劇シリーズの登場人物が沢山出てきて、それも楽しい。ま、例によってほとんどどういうキャラかは覚えていないのですが。
 一つだけ不満。後ろ2つの話は、結構ややこしい金の話(世襲財産がどうの用益権がこうの)なんだけど、正直具体的にイメージわかない。エヴァンジェリスタ夫人が、もともといくらあった財産をどのくらい使っちゃったのかとか、詳しく解説や註に書いてほしかったんだけど、あっさり「あんま詳しくない。スマソ」(pp.464-465)と言われちゃうと悲しい。
 ま、それはともかく、さすがバルザック様様の濃厚な小説でございます。堪能致しました。