図書館で借りて読了。本の性質上しょうがないながらも、「これは現代のオタク的な〜」みたいなのはちょっと牽強付会と感じるものの、簡潔にまとまったあらすじと要点を端的にまとめた見事な解説は素晴らしい。読んだことない作品が多いけど、全部読みたくなったもん。
 でも、いくらこういう良い本が出ても、人文系コンテンツの衰退は止められないんだろうなぁ。
 もちろんこういう良い本を出す頑張りは意味はあるんだろうけど、一番効き目がありそうなのは結局景気が良くなることなんじゃないの。大学や出版業界の衰亡をせき止めて市場の縮小を防ぐには、結局社会全体に余裕がないと難しいでしょ。そういう意味でも、なんリベなインテリどもが言う、金持ちの道楽としか思えない「反知性主義」だとかその手のシバキ主義的色彩が強くて経済を軽視したお題目は空疎だよな〜。文化を守りたいんだったら、情緒じゃなくて知性に基づいて作戦立てないと。