- 作者: 野矢茂樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/05/27
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る
理論編と解決編はさすがに見事。しかし、これで他我問題(とそれにまつわる哲学的問題)が解決した感じは全然しない。眺望地図を現実の地図にする力というか、独在性=<私>がないとそもそもこういう話が始まらない、そしてその独在性が他の人にあるような気がしてしまうという永井さん的な話抜きには、他我問題は解決できないでしょ。
と不満はあるものの、やはり手練れの一流哲学者の書くものは面白い。それに、議論の中身も読みやすさも大森荘蔵の後継者という感じがさらに強く出た感じがしました。
余談。『哲学な日々』で出てたバラは暗闇でも赤いかという議論、バッチリ出てます(pp.180-182)。これはなるほどと読んでて声出ちゃいました。