どん底名人

どん底名人

 図書館で借りて読了。依田さんは名前くらいしか知らなかったが、こんな人だったとは。実績を見ると大棋士と言って良い立派なものだけど、若いころから飲む・打つ・買う三昧で無軌道な生活を続け、一時期は少し節制してタイトルを続けて取る活躍をしたものの、その時に贅沢三昧したせいで成績が落ちてきたら経済的に破綻。家族関係も悪くなるというあまりに分かりやすいストーリー。正直やることなすこと全てDQN的で、自業自得としか思えない。
 またしょうもないビジネス書まがいの本読んで心を入れ替えたり、やたらと子供への愛情を強調したりするのもヤンキー・DQN的感性そのものだし。
 今はこういう無頼派的な人はもうあんまりいないんじゃないでしょうか。将棋も、羽生さんを筆頭に若いときから活躍してもここまで放蕩する人はあんまり聞いたことない。それとも私が知らないだけなのか。いずれにせよ、長く活躍するには、遊んでばかりで才能だけに頼っていては駄目だろうし。
 こういう物語にある種の訴求力があることは理解できるし、面白がる気持ちもなくはないが、人種としては相いれませんな。