The Monarchy of Fear: A Philosopher Looks at Our Political Crisis (English Edition)

The Monarchy of Fear: A Philosopher Looks at Our Political Crisis (English Edition)

 

  キンドルで購入。

 前に読んだ本(『Anger and Forgiveness』)と内容的には重複多し。

 トランプ当選への応答として書いたということだが、ここまで理想的なリベラルインテリ節だと感心するしかない。人と行為の分離や恐れ・嫉妬の克服など、実践出来たらほとんど聖者ですよ。

 とは言え、ギリシア悲劇からアメリカの演劇、キング牧師などなど豊富過ぎる教養をバックボーンにして語るから、単なるハッタリには聞こえないし説得力あるのは流石。

 本人の成育歴に触れながら論じる男女差別・フェミニズムユダヤ人差別は知識が薄いジャンルなのでためになった。

 英語は非常に読みやすい。京都賞受賞時に構想が浮かんだらしいから、多少はある意味日本にもゆかりがある、内容も面白くマニアというよりは広く教養人・一般市民こそ読むべき内容かと。最後の方にある草の根の知的コミュニティが我が国にももっとあればなぁ。