アラブ、祈りとしての文学 【新装版】

アラブ、祈りとしての文学 【新装版】

  • 作者:岡 真理
  • 発売日: 2015/11/25
  • メディア: 単行本
 

  柳下さんが褒めていたので新刊で購入。衒いなく真正面から、サルトルの「飢えた子を前にして文学は何ができるか」という問いから始めて、文学の存在意義を問う姿勢は大変好感が持てる。テーマが重いとついつい中身を高く評価するバイアスが働きがちだが、それを抜いても今時あまり見ない良い文学論だと思う。
 馴染みのないアラブ圏の文学紹介としても価値あり。名著という評価も決して大げさではないかと。