コバニ・コーリング

コバニ・コーリング

 

  漫棚さん推薦ということで新刊で購入。花伝社だと知らずに買ったのだが、さすがの選球眼、非常に素晴らしい。オタク的ギャグや諧謔がバンバン繰り出されるのとはある意味対照的に、作者の底にある心情や視線はヒューマニティを感じさせて読後感は感動的だった。凄絶としか言いようがないクルド人の苦境を描くには作者のポップな絵柄で中和しないと、とても正視できないものになってしまったかもしれない。
 日本人には全く馴染みのない複雑極まりない中東やトルコ、シリア事情の入門としても良いかと。解説も行き届いたもので助かる。
 これもまた我々が知らないこの世界の片隅の物語。是非読んで欲しい。