サブリナ

サブリナ

 

  古書店で購入。無表情で動きの少ないキャラ、シンプルなコマ割り、ポップな色使いといった表現上の特徴と、ネット・SNSで拡散・増幅される陰謀論・狂気の不気味さが何ともミスマッチで怖い。特にテディが包丁持って待ち構えるところと、最後にコナーが言ってくる冗談は異常な緊迫感あり(ちょどアメリカで陰謀論が無視できないレベルで悪影響を与えているかな、なおさら怖い)。
 ネット・SNSという道具立てで、現代的狂気を表現しているともちろん言える。しかしそらだけでなく、ある種の寂寥感や孤独などの、普遍性人間像・感情も上手く表現できていると思う。
 優れたグラフィックノベル文学賞にノミネートされるのも納得の出来かと。