新刊で購入。真面目町山モードの真骨頂。タイトル通り「格差」というテーマを中軸としながら、単純な社会状況還元論ではなく、映画史・映画技法・監督の過去作や発言等々バランスよく参照しながら作品を読み解いていく手際が見事だ。
そして、映画とシンクロするような、静かな怒りや悲しみが染み出してくる文章が素晴らしい。特に良かったのは『万引き家族』の章かな。読んでいて思わず涙ぐんでしまった。
このシリーズは町山さんの新たな代表作になりそうですね。文化的土壌として、今後の日本語話者への貴重な贈り物となり、読み継がれていくことになるでしょう。