無礼講 酒気帯び時評55選

無礼講 酒気帯び時評55選

 文壇アウトローズの対談もこれで3冊目。もともと私はこの対談の前に連載していた福田和也の『罰当たりパラダイス』が大好きだったので、その流れを受けて始まったこの対談も読み続けている。
 『罰パラ』と比べてると、どうしても面白さは落ちるが、それなりに楽しめるレベルにはあると思う。
 しかしこの二人の博覧強記ぶりには驚かざるを得ない。知的な物事に重きを置く人間として、素直に憧れてしまう。しかもその博識が単なるアカデミックな知識に限定されない広さを持つのが(トンカツやプロレスなど)なおさら、引きこもり気味で飲み屋やレストランなどめったに行かない私のような人間の劣等感をいたく刺激する。
 「でも、そういう趣味ってそれなりに金がないと楽しめないよな」と思うと、複雑な気分だ。