きみのかみさま

きみのかみさま

 図書館で借りて読了。救いがない境遇の子供達が漠然と神に思いをはせる時、一体どんなものを思い浮かべているのだろう。中身は相当に陰惨なものもあるが、絵柄がその瘴気をうまく薄めてくれている。
 世界中を旅した経験は、爆笑モノのルポマンガだけでなく、こういった詩的な作品を生み出す源泉にもなるとすれば、とても意義あることなのかもしれない。
 最後に出てくる「むこう側」のイメージは、天国の情景としてはなかなかに魅力的だ。そして、家族(子供というべきか)という存在の正の側面を、非常に端的に美しく描けている。西原さんの絵本はどれもハイレベルだと再認識した。