図書館で借りて読了。論文書く機会など今後一生ない私のような一般人でも、査読者とのバトル、偉い人にアイデア話すのはおすすめできないこと(具体例がフォン・ノイマンなので滅茶苦茶説得力あり)、アイデア盗用対策などなど、エピソードが面白いので楽しく読めました。何となく、学術誌に出ている論文が科学の最先端だと思っていたけど、査読には半年とか1年とかかなり長い時間かかるということで、本当の最先端からは少しタイムラグあるというのは知らなかった。
 査読者は報酬ないけど、単純に研究者の義務として以外に、最新の研究動向に接することができるという実利的メリットもあるんですね。
 あと、研究者の特性によって仕事の分担別けたほうが良い等々、日本の大学への提言・批判は割とうなずける部分が多かった。それこそノーベル賞級の研究者に、大学のセクハラ委員会の委員やセンター試験の監督やらせるのなんて、馬鹿げているどころか、その分遅れる研究のこと考えれば、大げさに言えば人類規模での損失でしょう。さすがにipsの山中先生は、そういう雑用免状されてんでしょうね?
 これまでのシリーズとかぶる部分も結構あるけど、そんなに気にならないし、オススメできます。