吉原まんだら: 色街の女帝が駆け抜けた戦後

吉原まんだら: 色街の女帝が駆け抜けた戦後

 図書館で借りて読了。メインのおきちさんと角海老グループの鈴木さんの話がめっぽう面白いうえに、少しとぼけた文体で控えめな印象を与えるものの、かなりしっかり調べて書いていて資料性も高い。
 ソープランドの経営者が何度も警察から表彰されていて、平沢勝栄の名前が入った表彰状まであるんだから笑えます。
 あとは、風俗業なんてほぼ全部ヤクザのシノギになっているもんだと思い込んでたんだけど、そういう訳でもないみたいですな。鈴木さんなんて、総理官邸から外国の要人接待まで依頼されてたっていうんだから凄い話だ。でも、そういう場合日本側は例えば盗聴・盗撮したりしてある種のハニトラ仕掛けたりしなかったんですかね。逆にそういうの警戒しない外国側も脇が甘いというか。
 というわけで、興味深いエピソードも盛りだくさんで非常に面白くて一気に読んでしまった。オススメ。