図書館で借りて読了。(当たり前だが)ソーカル事件に触れてはいるし、バランスを取ろうとしているのは十分わかるが、改めてもうこの手の話はもういいやというのを再確認するだけになった。ソーカル事件は触れることはふれるけど、批判に対してどう答えるのかという話も全然ないし、かといって、何か現代思想の言説を利用して、哲学的に面白い話題を提供するわけでもない。無難な解説が続くのみ。
 「今日、近代という時代が決定的な転換点に立っていることは、つとに指摘されている」(p.8)って、いったい誰がどういう根拠で指摘してるんですかね。こういうことって何十年も前から同じこと言っているような……。もう「フランス現代思想」は、大方の人にとっては歴史的関心があって読む以外はあんまり意味がないんじゃないかな。