イスラーム国の衝撃 (文春新書)

イスラーム国の衝撃 (文春新書)

 図書館で借りて読了。著者のネット上のテキストがなかなか攻撃的で面白いので読んでみた。
 これぞ新書に望む中身の見本とでも言いたくなるような非常に良いもの。時事性もありつつ、コンパクトで手際よくまとめられていて、素人ならとりあえずこれ1冊読んどけば最低限の知識は得られそう。
 後書きでも触れられているが、単にイスラム圏の政治解説だけでなく、思想史的・文化的な側面からの解説と二つの軸から論じられているのが優れていてかつ独自性が高い点なんじゃないでしょうか。
 やや余談。p.203の提言はもっともだよな〜。私が知らないだけかも知らんけど、ジハードや奴隷制といったどう考えてもヤバい要素に対する批判に対して、まともに答えているイスラム学者っているのかね。それができなきゃ(別に個人的にはそれで全く構わないながらも)未来はないと思うんだけど。