ハイラスとフィロナスの三つの対話 (岩波文庫)

ハイラスとフィロナスの三つの対話 (岩波文庫)

 新刊で購入。面白いね〜。ハイラスが言いくるめられて「どう考えればいいかわかりません」とかいって困るのが笑える。
 まともにやりあうと、錯覚論法側の方がどうしても押し気味になっちゃうよね。しかもそれが懐疑論でなく、押される方が懐疑論だというのだから、それだけ聞いたら訳わからんわな。
 個人的に興味のある、観念論での他我の扱いと神様の存在証明はあんまりしっかり論じられていない感じがして残念。
 そもそも神様が知覚する・観念を持つって一体どういうことなんでしょうか。全然分からん。
 長い間手に入りやすい翻訳がなかったのは不思議。親切に小見出しが付いているのも素晴らしい。哲学入門書としても使えるし、それなりになじんだ人でも楽しめるしで、オススメでございます。