Strange Tools: Art and Human Nature (English Edition)

Strange Tools: Art and Human Nature (English Edition)

 キンドルで購入。広い意味ではいわゆる延長される体路線というか、デカルト的・内在主義的傾向への批判という中身なんだけど、「哲学は振付(コレオグラフィー)と同じ」「哲学は芸術と同じ」みたいな非常にキャッチーな話でとても面白い。著者自身芸術に造詣が深いからか(そもそも両親芸術家で、子供のころのエピソードに有名人ゴロゴロ出てくる)、具体例も非常に豊富なのも良い。英語もかなり読みやすし。
 言っていることはかなり賛成できるんだけど、あまり分析哲学的な論証というのがないので、テーゼは面白いけど議論としての説得力というのは少し欠けるかも。ハイデガーや道具の話も出てくるところ見ると、分析系バリバリという人じゃないみたいですね。
 哲学好き以外も十分楽しめそうな本なので多くの人にオススメ。著者のほかの本も読んでみよう。