キンドルで購入。

 動物好きなら胸を撃たれるような哀切溢れる作品集。犬や猫と暮らすことを描いたマンガは多数あるが、可愛さやあるあるネタに頼らない情緒のある作品が描けるのはもちろん著者の力量なのだが、感情表現がベタベタと大げさで下手くそでないのは、著者のユーモアセンス・ギャグセンスに見られる対象への鋭い観察眼と距離の取り方が大いに寄与している気がする(何かにおかしみを見出すには、相手を客観的に見ないといけないので)。表紙も素晴らしい。

 回復しきっていない精神にはしみすぎるほどで涙しながら読んだ。素人ながら、多分こういった経験は精神的なダメージを深めるよりも癒す方向に作用する気がする。ある種のカタルシスによる浄化というか。