図書館で借りて読了。

 まさしくこれから加速度的に増えてくる独身男性による介護の詳細なドキュメント。さすがに理系ライターだけあって、正確に整然と記録されていて読みやすい。

 1巻目は思わず手を挙げてしまったところがハイライトだろう。読んでいて胸が痛かった。

 施設に入れたからってそれで終わりではないよという2巻目も、段々と衰えていく母親に向き合い、ついには息子である著者のことも認識できなくなってしまう過程が辛い。

 幸いにして私の母はまだ元気だが、さすがに年齢を感じさせることも増えてきた。全く他人ごとではない貴重なドキュメントとして、介護を意識し始める中年以降の(特に独身)男性は必読といってもいいくらいだ。

 私の場合男兄弟しかいなくて、その兄弟も全く当てにならない状況なのでなおさら事態は深刻だし。

 世俗的なものにはどちらかと言えば背を向けた思想傾向の私でも、こういう本を読んだ後には、元気なうちに多少は親孝行しとかなければと思わされる。

 本来なら結婚して孫を見せてあげられれば一番良いんだろうけど、それも事実上不可能だから、どうしても罪悪感を感じてしまうのもあるしね。