時間様相の形而上学―現在・過去・未来とは何か

時間様相の形而上学―現在・過去・未来とは何か

 図書館で借りて読了。コンパクトで簡潔な記述はくどくなく、なおかつきりのいいところにまとめもあるし(最近こういうの増えましたね。いいことだ)、非常にリーダブルである。議論自体はしっかりしていると思うのだが、本書の中心概念である「出来事」という概念が、私にはどうもはっきり理解できないので、何となくもやもやした感じが残る。
 どうでもいいこととして、中身はバリバリの分析哲学なのだが、永遠回帰を論じたところだけ雰囲気が違うのがちょっと面白かった。普段この手の時間論をあまり読まない現代思想ファンやニーチェ好きの人も、読んでみると興味深いと思う。
 まったく哲学の本を読んだことがない人には少し難しく感じるかもしれないが、哲学的なことに興味のある人にはおすすめです。