新刊で購入。

 入不二さんの哲学に興味があるなら必読と言って良いのでは。特に最後の部分は非常に興味深い話しばかり。

 森岡さんの動作起点云々という論点はどうも「これ」論の核心=独在性の核心=読み替え運動のダイナミクスを上手にとらえ損ねているという気がする。対する入不二さんの応答の方がより的の中心に近いだろうし、さらなる展開が読みすぎるほど面白い。

 そこで出てくる「力」こそ、ニーチェの言う「力」「自然」でありハイデガーの言う「真理の開け」「ピュシス」であると私は確信している。

 と言うか、そういう読み方しないなら、単なる「世界観哲学」「思想」としか解釈できないし、大して大事なことを言っているとも思えないんじゃないかと思うんだが、多くの人はそういう哲学的捉え方をしていないのが不思議で仕方ない。

 「J哲学」、入不二さんや永井さんに続いてドンドン出て来てほしいんだけど4巻で終わりなのかな。もっと若い世代の哲学者も出してくれれば良いのに。