新刊で購入。最初の対談は和やかながら、続く論文は一転バチバチ。特に永井さんのものはフルボッコ。確かに森岡さんが参照するのは古い文献が多めで、論脈が取りずらいものも多いとは言え、容赦なさすぎ。「~は〈私〉」と「〈私〉は~」の違いだとか、2人称的指示が根源的だとか、私もピンと来ない部分が多かった。
 永井さんのフルボッコ文章と森岡さんの応答で、お互いの強調点がより区別されて分かりやすくなった、のかなぁ。ただ、森岡さんは独在性を探求するというよりそれを前提として考えているという永井さんの診断は正しいと思う。
 2人の対話というより、J哲学の最高峰たる永井哲学が何ではないか、どう誤解されるのかという否定神学的テクストとして読むのが正しいのだろう。私も森岡さんの解釈のどこがまずいかまだよく分からん部分も多いし。