図書館で借りて読了。

 行きつけの割烹で知り合った人に勧められて。

 著者の幼少期から現代まで、料理とそれにまつわるエピソードを感傷的過ぎずかといってドライでもない文章で綴った短編集。プルーストのマドレーヌ的な喚起力をもって、見事に家族のつながり、少数民族・移民の悲哀、そしてなにより料理とそれを生み出すテロワールを立ち現れさせてくれる。

 翻訳も見事。練達の筆力を堪能できた。