Paradoxes of Time Travel (English Edition)

Paradoxes of Time Travel (English Edition)

 

  キンドルで購入。

 ブロック宇宙・生成する宇宙等などの色んな時間モデル、自由意志、4次元主義と3次元主義、因果、メレオロジー、などなど分析哲学のメジャートピックとタイムトラベルとの関係を論じていて、タイムトラベルそのものの可能性はもちろん、分析哲学愛好者にはなじみのある話題をタイムトラベルとの整合性を考えることで検討するという内容にもなっている。ルイスの論文を結構な量で詳説してくれているのは、以前読んで難しくてかなり苦戦した記憶があるものからしたらとても助かった。

 哲学愛好家でない人には、英語もかなり読みやすいし、サンプルもマニアックなSFでなく「バックトゥザフューチャー」などメジャータイトルが多いので、ある意味哲学入門書としても読めなくもないかな。

 独自説や興味深い議論は見当たらないものの、中々楽しめた。

 完全に哲学書で物理学寄りの話はないのでその点は注意。