図書館で借りて読了。日露戦争で勝利した国がなぜ第二次大戦での敗北に至ったのか。その原因として挙げられている、指導者の劣化や悪しき官僚主義(縦割り行政や硬直的な人事)といったことは、現在においても何ら解決されていないように思えて、暗澹たる気持ちになる。特に大地震原発事故の対応を見ていると・・・。
 「日常の自転」はなかなか良いフレーズ。著者は国会議員になったから、これから活躍すれば、山本七平の「空気の支配」とともに、もっと使われるようになるだろうか。
 最後の世代論はどうかと思うが、それ以外は警世の書としての価値十分にあり。
 本当なら東大出の元官僚なんていけ好かなくて応援したくないのだが、この人はお父さんが流しのギター歌手(確か福田和也の罰パラかどっかで読んだ)という面白い生い立ちなので、ちょっと応援したい。