舟を編む

舟を編む

 人に薦められて借りて読了。うーん、「マンガでわかる〜」のようなノリというか、『小説でわかる辞書の製作現場』(それも一昔前のかな?)としては価値はあるだろうし、娯楽作品として一定のレベルはクリアしているとは思うが・・・。
 悪い意味でのマンガ的というか、ラノベ臭いというか、その手の安っぽい感じがどうしても鼻についちゃうんだよね。時代設定はネットが登場するところを見ると現代のようだけど、紙の辞書が絶滅するかもしれないと言われているのに、無邪気に昔風のステロタイプな編集者や監修者出されても、しらける人が多いんでないの。
 大体、現代でそれなりに名の通った出版社なんて新卒で就職するの滅茶苦茶大変なわけですよ。コネなしでコミュ障気味で、いくら博識とはいえ天才レベルとまでは言えない主人公が新卒で就職できていること自体、出版社のエントリーシートすら通らなかった私からすればちゃんちゃらおかしいし。
 というわけで、素直な人には薦めてもいいけど、ひねくれモノにはあまりおすすめではないかと。
 しかし、本屋大賞受賞作は『夜のピクニック』に続いて読んだの2冊目だけど、少なくともその2冊で判断する限り、本屋の店員は忙しくて本なんてあまり読んでないという通説を裏付ける選考としか私には思えないなー。