■

技術への問い (平凡社ライブラリー)

　新刊で購入。難解だが、何とかあらすじは追えるレベル。アレーテイア・不伏蔵態としての真理だとか、「用立て」だとか、後期ハイデガーのキーワードもたくさん出てくるし、私のような非専門家の哲学ファンにはある意味（ハイデガーの著作の中では）比較的近づきやすい感じがした。
　でも、永井均さんの言い方を借りれば、ロジックでなくレトリックなんだよなー。何かを議論したり論証したりするようなスタイルじゃない。言っていることはとても魅力的で哲学的に凄いことだとは思うだけれども、「どうだ！」とばかりに世界観の提示というか、説教というか、ハッタリかましているのとどう違うんだといわれると、なかなか難しいんでないの。
　他のハイデガーのテキストも、こういった手に取りやすい形にどんどんなれば嬉しいのだが。