図書館で借りて読了。滅茶苦茶面白い。とにかく個々のエピソードがどれも興味深いものだし、ある企業の興亡史としても非常に読ませる。
 スター時代劇が受けなくなってきても、なかなかそれに代わるものが見つからず、何とか岡田茂を中心に任侠映画やピンク映画へ路線転換しても、結局時代の流れに段々と置いていかれ現在の窮状に至る姿は、多くの人がそこに現代日本の閉塞感を重ねたくなるのではないか。
 そういった堅苦しいことは抜きにしても、戦前スターを他社から引き抜いたら、その会社の雇ったヤクザに拉致されて腹を刺されたとか、ヤクザ映画の役にのめりこむあまりに、役柄上敵対する役者と本当にケンカになるなど、あまりにもオモシロすぎる話満載でございます。
 必読レベルの面白さなので、安心しておすすめできます。
 余談。著者の春日さん役者みたいなイケメンですな〜。